消防団とは!?消防団員はいるいらない?消防団の活動や現状とは!?

暮らしの知恵

「消防団」
当然私の地域にもあり、夫も消防団員でした。

現在、埼玉県で団員の一斉退団が話題になっています。
ですが、痛いほど気持ちが分かるのは私だけではないでしょう。

消防団とは?
どんな活動をしているのか?
私が考える消防団いる?いらない?

今回は地元の消防団についてのお話です。

消防団とは!?

「消防団」とは、消防組織法に基づいて各市町村に設置されている団体。
一般市民の団員で構成される消防機関なのです。

消防署に勤務する職員とは全く別物。
火災や災害時に自宅や職場から現場へ駆けつけ、消火活動や救助活動をお手伝いする非常勤特別職の地方公務員なんです。

消防団員の活動とは?

あくまでも私の地域での活動です。

  1. 火災時の出動
  2. 豪雨・豪雪など災害時の出動
  3. 火災予防週間中や年末のパトロール
  4. 消火栓や防火水槽の点検
  5. 地域のお祭りなどの交通警備
  6. 防災の日イベントのお手伝い
  7. 出初式出陣
  8. 消防操法訓練&大会

一年通じてかなり盛沢山だったのを覚えています。

火災時の出動

火災時に出動します‼
が、私の地区の団員は火災現場で消火活動は一切しません。

消火活動には手を出さず、野次馬整理や交通整理、後片付けをするだけが仕事なのです。

火災が発生すると消防ポンプ積載車という、消防車よりも小型の車で火災現場に向かいます。

引用:トーハツ株式会社 

しかし、消防団員は消防署職員が到着するまでの野次馬整理や交通整理しかやりません。

危険な消火活動は「危ないからやらなくいい」らしいんです。
しかも消火栓にホースをつないで水を出すことも基本NG。

何のための消防団なの!?
燃えてるのに放水もしないの!?
と何度夫婦喧嘩したことか(笑)

消防署職員と違って様々な制限がかかっているのです。

埼玉県で問題になっている「服装問題」もあるあるです。
私の地域でもちろん着用しないとNG。

どんなに激しい火災でも
目の前でボウボウ燃えていても
一旦帰宅して着替えて現地へ向かう。

これが鉄則です。

私の地域もサラリーマンがほとんどなので、火災のお知らせが届いてもほとんど出動する人はいません。
当然うちの夫も…。
家に帰って着替えて…って、絶対間に合いませんから。

自営業で「熱心」な人が数人出動するのが通例なんです。

豪雨・豪雪など災害時の出動

豪雨や豪雪などで警報が出ている時は、消防ポンプ積載車で地域をパトロールします。

実際に河川の増水などで避難が必要な際は避難誘導をします。
行方不明者が出た場合は捜索もしています。

あふれそうな河川箇所には土のうを作り設置したりもしてくれます。

火災予防週間中や年末のパトロール

火災予防週間や年末には期間中パトロールをしています。
決まった時間に市内を巡回しています。

消防ポンプ積載車の鳴らす「カンカン」の音が苦手な我が家のチワワ。
とんでもなく遠く、私たちには聞こえない時点から猛烈に遠吠え。
積載車が回ってくるのを教えてくれます。

動物には嫌な音なのかもしれませんね。

消火栓や防火水槽の点検

毎月詰所(つめしょ)に集まって消火機器の点検をしています。
他にも、地域の消火栓や防火水槽の点検もしています。
点検をしながら、毎月飲み会もしています(笑)

飲み会は賛否両論ありますが、私は必要だと感じています。

消防団員の報酬は地域によってかなりの格差があります。

私の地域では区民の区費から消防団へ予算をまわします。
比較的高額な予算がつくので、出動すればちょっとしたお小遣い稼ぎにもなります。
なので団員も意外と沢山集まります。

ですが、隣の区では予算が全くつかないので、ほとんどボランティアなのが現状。
団員もほとんど集まらないので、何かある時は近隣の消防団がお手伝いするほど…。

そんな消防団員達が月1で「飲み会と言う名の交流会」を開く。
その為に少しくらい予算からお金を出すのは、全然ありだと思いますよ。

引用: Wikipedia

地域のお祭りなどの交通警備

地域のお祭り、特に子供みこしの交通警備をしてくれます。

子供たちに危険がないよう、一緒についてまわりながら交通整理をしてくれます。
その後は子供達にプチ縁日を開き、楽しませてもくれています。

防災の日イベントのお手伝い

防災の日は消防署職員と一緒にイベントに参加しています。

消火器を使っての訓練やAEDの講習会。
災害時の炊き出し訓練のお手伝いもしています。

民間人に消火訓練を指導するのに、消火活動はしないんですよね(笑)

出初式出陣

1月上旬に行われる「出初式(でぞめしき)」に出陣します。
消防団の仕事始めの儀式みたいなものですね。

市内の各分団が集まり、団員総出でパレードします。
これは見ごたえがあり、素敵ですよ♡

引用:Wikipedia

消防操法訓練&大会

消防操法(しょうぼうそうほう)とは、消防訓練における基本的な器具操作や動作の方式の事。
消防庁が定める「消防操法の基準」に基づいて、1年に1度行われる大会の為に訓練しています。

地域によってはとても熱がはいり、1年通じて訓練して毎年「1位」なんて分団もあるくらいなんですよ。

第二次世界大戦後から始まったとされる消防操法。
今でも消防団の訓練形式として行われているのです。

引用:消防団 オフィシャルウェブサイト (fdma.go.jp)

消防団員はいる?いらない?

消防団員はいるか?いらないか?
私は「いる」必要だと感じます。

確かに消火活動はしませんが(する地域もあるとは思いますが)
地域の安全を守ってくれています。
報酬は出るとしても、ほぼボランティア価格です。

こんな報酬ではアルバイトも来ませんよ。
本当に地域のボランティアなんです。

我が家の夫は消防団に入って地域の同世代の男性と知り合いになれました。
その交流は現在も続いています。

同世代の集まりなので、子供も同学年や近い年代が多く、
子育て時代にはその仲間達との交流が一番多かったと感じます。

新人類と呼ばれる人たちは「いらない」と言うかもしれません。
ですが、自分の家族や知り合いが災害などにあった時、無条件で出動してくれるのは消防団だけですよ‼
無くなったらとても困ると思います。

痴呆老人の徘徊で山狩りしたこともありました。
家出少年の捜索に出た事もありました。

警察や消防よりずっと頼りになりましたよ。
実際に間近で見て来たので、私は消防団員は必要だと断言出来ます。

消防団員の問題点は何?埼玉県の一斉退団の問題点

消防団員の問題点。

一言で言っても地域毎に活動内容や報酬が違います。
全てに当てはまるかわかりませんが、私の地域の問題点をいくつかあげてみたいと思います。

  1. 消火活動と言うよりは雑用に近い
  2. 消防団員の報酬や給料に統一性がない
  3. サラリーマンでは活動しにくい
  4. 服装含め規則が厳しく権限がない
  5. 若者が居ない地域では成り立たない
  6. 退団年齢に決まりがない

消火活動と言うよりは雑用に近い

地域の消火活動を夢見て入団しても、実際は火消しではなく「雑用」ばかりです。
消火活動を終えた消防署職員が散々荒らした現場の後片付けばかりしています。

他にも火災に集まる野次馬に怒鳴られたり邪魔扱いされる事も沢山あります。
今は何でもスマホで撮影するので、無断で撮影されてネットでさらされる事もあるあるです。

消防団員の報酬や給料に統一性がない

地域の財政によって、報酬や給料に格差がありすぎる。
こればかりは仕方のない事だと感じますが、ある程度の決まりごとが無いと団員確保は難しいと感じます。

地域の予算で活動する消防団は、他に収入源がありません。
地域の為に無報酬でもいい‼
そんな人はまずいません。

きちんとしたお給料や報酬が出るとなると少しは話が違って来るとは思うのですが。

サラリーマンには活動しにくい

サラリーマンは火災時に駆け付けられない。
せっかく消防団に入っていても、仕事中の火災や災害には対応出来ません。

自営業で時間に融通の利く人だけが活動するようになってしまいます。

又、十年位所属すると「団長」のお役が回って来ます。
当然我が家のやりましたが、これが正直とてもキツイ。

仕事を休んでもでも参加しなければいけない事が何度もあるんです。
火災のお知らせがあれば、仕事を休んで減給されても現場に向かわなければいけません。
この減給分は誰も保証してくれません(苦笑)

小学校や中学校のPTA会長を引き受けるより大変で辛かったです。

活動出来ない消防団員は幽霊団員になってしまい、辞めていく。
そんな人が何人もいるのが現実です。

退団したくて自分の代わりに入団してくれる人を探しに勧誘に行っても、断られるケースがほとんど。
最近は本人ではなく、親御さんが断ってくるケースがほとんどです。

「うちはサラリーマンだから出来ないって言ってる」
いやいや、我が家もサラリーマンですが(苦笑)

人の家の息子が入らないと文句を言って、自分の息子は入れない。
田舎あるあるです。

服装含め規則厳しく権限がない

服装に決まりがあるだけでなく、細かい決まりごとがたくさんあります。

我が家も体験しました。
近隣でボウボウ燃える火災現場があったのですが活動服に着替えないと行かれません。

そんな時に限って活動服は見つかっても帽子やヘルメットがないとか…。
普段から玄関にでもフルセット準備しておかないとなかなか難しいですよ。

活動自体に制限もあります。

非常勤特別職の地方公務員とは名ばかりで、現場での権限はほとんどありません。
緊急事態でも独自で判断する事は禁止されています。
市町村長や消防署職員にお伺いを立てなければ何も出来ないのが現状なのです。

本当になんでこんなシステムなの?
と首をかしげる事が沢山あるのです。

若者が居ない地域では成り立たない

若者がいる地域では活動も活発かもしれませんが、居ない地域では活動は成り立ちません。

実際、田舎の消防団は定年間近の人まで所属している所もあるのです。
一度入ったら後任を連れてくるまで辞められない…。
それも問題点です。

退団年齢に決まりがない

先ほどと一緒。
退団年齢に決まりが無い、定年制度が無い。
一度入ったら団長をやるか、後任の人を連れてくるか…。

田舎では60歳を過ぎても所属していて
しまいには「青年団」なんて呼ばれることも。

タダではやめられないのも問題点なんです。

消防団とは!?消防団員はいるいらない?消防団の活動や現状とは!?のまとめ

消防団はいります。
消防団員は地域の仕事をかなり沢山してくれています。

それなのに、規則が厳しかったり報酬や給料が少なかったり…。
問題点は山盛りです。

埼玉県の団員さんが一斉に退団したのも、様々な理由が積もり積もっての事でしょう。
とても気持ちが分かります。

田舎では消防団に入った人と入らなかった人では、その後の近隣付き合い方が変わるのも現実。

あの家の息子は入ったけど、あの家の息子は入らなかった。
なんて、地区の集まりでは必ず出る話題です。

「最近の若い奴は」なんて言う人もいます。
ですが、今後も消防団を維持していきたいと思うならば、若い人に合わせていく事も必要です。
活動内容含め様々な見直しをして、若い人達にも納得できる団体にならないと、いずれ消滅してしまうのでは…。

と不安を感じる今日この頃です。


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